vol.5〜男は黙って、ディストーション。
第五章、男の歪みでございます!
エレキ・ギターを弾かれる方なら誰もがこだわりを持っている、歪み系エフェクターについてお話しさせていただきます!
もちろん今回もお馴染みひろあつくんに、頼んで作りました!
自分にとって理想の歪みを作るにあたって重要視した点は以下の通り。
1.これ1つで、クランチ(*1)寄りな音と、深めのオーバードライブ(*1)の2種類の音を出したい!
2.抜ける音は意識せず重心の低い、音にしたい!
3.ON/OFF スイッチの他に、ゲイン(*2)・ブースト・スイッチをつけたい!
4.バイパス時と、ほぼ同じ音量で使うので、ONにした時の低域の削れ具合を、できるだけ軽減したい!
いくつかの歪み系エフェクターを試した結果、ベースとなる部分は、オペ・アンプを使った非反転増幅回路(*3)に決定しました、非反転増幅回路は、歪み系では一般的な回路で、色々なメーカーの歪み系エフェクターでも使われています。が、各部品の定数によって、キャラクターの違う歪みになります。
ゲイン・ブースト・スイッチ部は、ゲインを決める可変抵抗が直列で増えていくようにしました。そうすることによって通常のON状態ではクランチ寄りな音、さらにゲイン・ブースト・スイッチをONにする事で深いオーバードライブに変化させられるようになり、使い勝手もぐっと良くなりました!
次は、要望2と4の音質についてです。
抜け過ぎず混ざりの良い感じの音にする為に、ダイオード・クリップ(*4)をつけてもらい試奏しました!これを組み込むと、波形の上と下が削れて丸い感じの音になり、付けていない時よりも音の質感が好みだったので、ダイオード・クリップ有りで決定しました!
が、ダイオード・クリップによって削れてしまった低域(これは大問題です!)
を補う為に、増幅率に関係する部分に組み込まれている、フィルム・コンデンサ(*5)の定数を替えてみることにしました。定数の違う4種類を用意して、ひとつずつ付け替えて試していったところ、ひとつだけいい感じで低域が増えるコンデンサがあったので、すぐさまそれに決定です!!
そして遂に自分的に納得のゆく歪みが完成したのです。
レコーディングでは、この歪みの他にSOVTEK社のBIG MUFF(*6)と、TUBE WORKS社のTUBE DRIVERを使っています!ふたつとも大好きな音がします!!
最後に。。。
LEDランプの色は、“青”をオススメします。
夏フェスなどの昼の野外ライブでは、歪みのLEDだけ青だったのですが、一番見易かったです!
次回以降、まだまだ続きます。出口は遠い!
*1 クランチ、オーバードライブ / 一般的に、クランチ < オーバードライブ < ディストーションの順で歪み具合が増える。
*2 ゲイン / 増幅率、単位はdB(デシベル)。
*3非反転増幅回路 / 入力と出力が同じ極性になるようにしたネガティブフィードバック回路
*4 ダイオード・クリップ / 増幅素子(トランジスタあるいはオペアンプ)で有る程度増幅された波形の頂点を、互い違いに配置されたダイオードで切り落とし、波形を変える物。
*5 フィルム・コンデンサ / 誘電体となるフィルムと電極となる金属箔を一緒に巻いて製造されたもの。
*6 SOVTEK社のBIG MUFF / BIG MUFFは、アメリカのELECTRO-HARMONIX社製が一般的ですが、ロシアのSOVTEC社も一時生産していた。ロシア製は緑と黒があるが筆者のBIG MUFFは黒マフ。
エレキ・ギターを弾かれる方なら誰もがこだわりを持っている、歪み系エフェクターについてお話しさせていただきます!
もちろん今回もお馴染みひろあつくんに、頼んで作りました!
自分にとって理想の歪みを作るにあたって重要視した点は以下の通り。
1.これ1つで、クランチ(*1)寄りな音と、深めのオーバードライブ(*1)の2種類の音を出したい!
2.抜ける音は意識せず重心の低い、音にしたい!
3.ON/OFF スイッチの他に、ゲイン(*2)・ブースト・スイッチをつけたい!
4.バイパス時と、ほぼ同じ音量で使うので、ONにした時の低域の削れ具合を、できるだけ軽減したい!
いくつかの歪み系エフェクターを試した結果、ベースとなる部分は、オペ・アンプを使った非反転増幅回路(*3)に決定しました、非反転増幅回路は、歪み系では一般的な回路で、色々なメーカーの歪み系エフェクターでも使われています。が、各部品の定数によって、キャラクターの違う歪みになります。
ゲイン・ブースト・スイッチ部は、ゲインを決める可変抵抗が直列で増えていくようにしました。そうすることによって通常のON状態ではクランチ寄りな音、さらにゲイン・ブースト・スイッチをONにする事で深いオーバードライブに変化させられるようになり、使い勝手もぐっと良くなりました!
次は、要望2と4の音質についてです。
抜け過ぎず混ざりの良い感じの音にする為に、ダイオード・クリップ(*4)をつけてもらい試奏しました!これを組み込むと、波形の上と下が削れて丸い感じの音になり、付けていない時よりも音の質感が好みだったので、ダイオード・クリップ有りで決定しました!
が、ダイオード・クリップによって削れてしまった低域(これは大問題です!)
を補う為に、増幅率に関係する部分に組み込まれている、フィルム・コンデンサ(*5)の定数を替えてみることにしました。定数の違う4種類を用意して、ひとつずつ付け替えて試していったところ、ひとつだけいい感じで低域が増えるコンデンサがあったので、すぐさまそれに決定です!!
そして遂に自分的に納得のゆく歪みが完成したのです。
レコーディングでは、この歪みの他にSOVTEK社のBIG MUFF(*6)と、TUBE WORKS社のTUBE DRIVERを使っています!ふたつとも大好きな音がします!!
最後に。。。
LEDランプの色は、“青”をオススメします。
夏フェスなどの昼の野外ライブでは、歪みのLEDだけ青だったのですが、一番見易かったです!
次回以降、まだまだ続きます。出口は遠い!
*1 クランチ、オーバードライブ / 一般的に、クランチ < オーバードライブ < ディストーションの順で歪み具合が増える。
*2 ゲイン / 増幅率、単位はdB(デシベル)。
*3非反転増幅回路 / 入力と出力が同じ極性になるようにしたネガティブフィードバック回路
*4 ダイオード・クリップ / 増幅素子(トランジスタあるいはオペアンプ)で有る程度増幅された波形の頂点を、互い違いに配置されたダイオードで切り落とし、波形を変える物。
*5 フィルム・コンデンサ / 誘電体となるフィルムと電極となる金属箔を一緒に巻いて製造されたもの。
*6 SOVTEK社のBIG MUFF / BIG MUFFは、アメリカのELECTRO-HARMONIX社製が一般的ですが、ロシアのSOVTEC社も一時生産していた。ロシア製は緑と黒があるが筆者のBIG MUFFは黒マフ。
by sleepyab
| 2007-11-25 17:53
|
Comments(1)
Commented
by
流星
at 2007-12-06 15:32
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ケンスペついに歪みましたね。なんだか軍事機密を覗くみたいでドキドキしますなあ。きっと旧ソ連にはマッド・サイエンチストがいっぱいいたんだろうな。次回も楽しみに待ってます!
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